介護度を示す「要支援・要介護」とは

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要支援・要介護とは?

介護サービスを利用するにあたって必ず耳にするのが「要支援・要介護」という言葉です。それぞれどのような状態を指すのか詳しく見ていきましょう。

要支援・要介護とは?
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要支援・要介護の概要

まずは要支援・要介護に該当しない「自立」についてです。これは、日常生活を送る上で必要な基本動作(歩行や起き上がりなど)を自分で行うことが可能な状態であり、加えて薬の内服や電話の利用など、手段的日常生活動作も行える状態を指します。要は、自力で日常生活を送ることが可能で介護サービスを必要としない状態です。
そして「要支援」は、日常生活上の基本動作はほとんど自分で行えるものの、多少の支援が必要な状態です。例えば、入浴は自力で行えるもののお風呂の掃除はできないなど、具体的な生活支援を必要とする状態です。
最後に「要介護」とは、日常生活全般において自力で行うことが困難で、他者からの介護を必要とする状態を指します。入浴を自力で行えない、食事を自力で行えないなど、誰かの介護が必要な状態です。

具体的な違い

要支援・要介護の大まかな意味は上記の通りですが、その中でも介護度が細かく設定されています。「要支援1」は日常生活上の動作をほとんど自力で行える状態です。「要支援2」は要支援1と比べると自力で行えることが少なく、支援と同時に一部介護が必要な状態を指します。
「要介護1」は歩行や立ち上がりが不安定で部分的に介護を必要とする状態です。「要介護2」は歩行や立ち上がりを自力で行えないことが多く、部分的な介護を必要とする状態を指します。「要介護3」は歩行や立ち上がりが困難、かつ日常生活全般において介助を必要とする状態です。また、認知症の症状があり日常生活に影響がある状態も要介護3に含まれます。「要介護4」は自力ではほとんど歩行や立ち上がりができず、食事などの動作も介護がなければできない状態です。コミュニケーションにおいても理解力の低下により意思疎通が難しい状態を指します。「要介護5」は最も介護度の高い状態で、日常生活すべてにおいて介助が必要です。理解力も著しく低下しており、意思疎通が困難な状態を指します。

要支援と要介護の境界線

要支援2と要介護1は似ていますが、「状態の安定性」と「認知症高齢者の日常生活自立度」という要素から区分することが可能です。状態の安定性とは、病状そのものではなく介護量につながる変化が発生するかどうかという視点です。認知症高齢者の日常生活自立度とは認知症の症状の度合いであり、段階が高い位置にある場合は要介護に区分されます。